りん
悴んだ手でページをめくる 乾いた指先では上手くめくれなくて 指先に力を込める 紙の音が冬の空気を震わせる度に思う もしも もっと勉強していたら この凍てつく冬の空気を表す言葉を 白い息と一緒に吐き出せていたのに iPhoneが教えてくれた 懐かしい写真を…
終電前のクラブハウス キャッチがはびこる繁華街 芝生の上の花見 好きな人と同じ教室 頭で見切れる花火 歩くより遅い露店通 スクランブル交差点のハロウィン クリスマスイルミネーション 「またね」さえ言えなかった卒業式 無くしたものは未来にあるはずだか…
胸が張り裂けそうな痛みという言葉を考えた人は天才だと思う。 張り裂ける経験なんてしたことがないのに、どうしてそんな言葉を生み出せたのだろう。 その言葉はまるで今の私のために作られたのかもと思うくらい、痛みを感じてしまう。 Twitterのタイムライ…
タピオカを一つ、奥歯で噛み潰す。 食いしばるなんて可愛くない顔がみられないように。少しでも可愛いが崩れないように。 少しでも君に可愛いと思ってもらえたら、未来は変わるかもしれないから。 今日のために巻いた髪も、お気に入りのリップも、未来を変え…
レジの横の肉まん 厚手のトレーナー 自販機に並ぶコーンスープ 冬が来るたびに当たり前のようにそばにあるものは どうして春になるたびに忘れてしまうのだろう 大切さに気づくのは いつも当たり前じゃなくなってから 戻らない幸せに気づいてしまう悲しみを …
こんにちは。心はJK、iCAREのブログで勝手にガラケー小説風ブログを書いているりんです。 〜最新のブログはこちら〜 icare.hatenablog.com 10月8日火曜日、ビジネスSNSで有名なWantedlyさんが主催するカスタマーサクセスのイベントに参加させていただきまし…
「神様が西に行っちゃうから”神無月”っていうんだよ」国語が得意な彼は今、何をしているのだろう 十月夏の朝を教えてくれた虫たちの声はもう聞こえないそして君の声も あの時ああしていれば、こうしていればもしもの可能性を考えるたびに苦しくなる 君に会い…
いつもと違う朝は、少しだけ私の心を踊らせる 少しだけ早起きをして 少しだけいつもと違う格好で いつもと違う街に向かう電車に乗る 九月の空はもう鮮やかな青ではないし、風も力強くはない 季節が変わったことを私はあと何回感じることができるのだろう 過…
この風は夏のものではないけれど、あの太陽は秋のものではない。雲の高さが変わったことに、日差しが柔らかさを取り戻し始めたことに、どれだけの人が気づいているのだろう。 九月。 人は何かを得るとき、何かを失う。どこかの偉い人が言っていた気がする言…
聞き慣れた電子音が空気を震わせる。 この音を止めたら、カーテンを開けたら、新しい毎日が始まる。 そんな予感がして、スマホに手を伸ばす。 私はりん。 雨音が蝉時雨に変わる頃、株式会社iCAREに入社した。 カスタマーサクセスという聞き慣れない言葉を知…