iCAREで働くひとが見えるブログ

働くひとと組織の健康を創る

Carelyのオンボーディング体感ゲームをつくってみた!@iStudy

f:id:icareofficial:20191221103819j:plain
こんにちは。iCAREでCS(カスタマーサクセス)チームのリーダーをしている田中です。

iCAREでは隔月で社内勉強会iStudy(アイスタディー)を実施しています。
12月はCSの「オンボーディング」をテーマにCarelyのオンボーディングゲームを行いました。

f:id:icareofficial:20191221093815p:plain

 

オンボーディングゲームの目的

「カスタマーサクセス(顧客の成功)」というのは、部署の名前になっていますがCS部だけでは実現できません。

マーケティング、営業、開発、そしてCSが顧客の成功を志向してプロダクトを開発し、その価値を届けていくことで成し遂げられます。

そのためには「どう売るか?」「どう開発するか?」を考えていく上で、「CSが具体的に顧客にどんな価値をどれくらい提供できているのか」を理解することが必要不可欠です。

そこで、今回はCSのコアな業務である「オンボーディング」のリアルを体感できるゲームをつくり、全部署対象にiStudyで扱いました。

f:id:icareofficial:20191221102851j:plain

体感して欲しかったこと

  • 「オンボーディング」も業種や機能、産業医の稼働状況によって提案の方法や内容が全く異なること
  • 時間がない中でどう優先順位づけして工数配分するかがシビアに求められること
  • そのため、利用データなどから得られる情報で顧客の課題を見立てて優先順位付けをしていること
  • 色々仮説はたてるが、やってみた反応をみないと使ってもらえるかどうかはわからないこと(思わぬ障壁が必ずある)

ゲームのルール説明の前に、前提となる「オンボーディング 」と「Carely」についてさくっとまとめます。

f:id:icareofficial:20191221095846j:plain

そもそも「Carelyのオンボーディング」とは

オンボーディングとは?

オンボーディングとは、一般的に「新人研修」や「オリエンテーション」を指します。
クラウドでシステムを提供しているSaaS(Software as a Service)の世界では、自社のサービスを顧客がうまく使いこなせるように導入初期に支援することを「オンボーディング」と呼んでいます。

語源のon-boardとは?

オンボーディングの語源である「on-board」は、「船上に」「車内に」などの意味があります。

「車に赤ちゃんが乗っているので静かにしてください」ということを示すために、「Baby on board」と書かれたステッカーを貼った車を見たことがある方もいるかもしれません。

「on」と「board」それぞれ分解すると下記のような意味があります。

  • on:くっついている状態、乗っている状態
  • board:板、黒板、乗り物


つまり、新しく入社した人や、新しくサービスを導入した顧客が、より早く安定して船に乗り、前に進むことができるように支援することをオンボーディングと言います。

f:id:icareofficial:20191221094049j:plain

オンボーディングとは、新しくサービスを導入した顧客が、すぐに船に乗って「出発」できるようにすること。

Carelyのオンボーディングの特徴

Carelyは企業の健康労務を効率化し、健康情報を一元化することでより活用しやすくなるクラウドシステムです。

企業が労働者の健康管理のため実施すべき業務は、健康診断、ストレスチェック、長時間労働者への面接指導、衛生委員会など法律で定められています。

しかし、実務レベルの細かい運用方法は企業によって全く異なります。

Carelyのオンボーディングの特徴は、法令を遵守しつつ、企業ごとに異なる実施フローに対していかにCarelyをフィットさせていくかがポイントとなります。

Carelyの主な機能

Carelyには様々な機能があります。全てのクライアントが、全ての機能をフル活用できるとは限りません。

「どの企業に、どの機能を、どんな方法で使ってもらうか」を企業ごとに考えて提案していくことになります。

f:id:icareofficial:20191221094400p:plain

Carelyのダッシュボード画面

Carelyのオンボーディングの成果指標

Carelyのオンボーディングの成果指標として、オンボーディング期におけるサクセスの定義と計測方法を作り、主要機能の利用状況を測ることで顧客管理をしています。

f:id:icareofficial:20191221094456j:plain

サクセススコア(オンボーディングのPDCAを回しやすくするための指標)

オンボーディングの優先順位を考える観点

CSが稼働できる時間は有限なので、「どの企業に」「どの機能の」オンボーディングをするかの優先順位付けをシビアにする必要があります。

MRRとアップセルの可能性とオンボーディングの成功確度の3軸で僕は考えています。

  1. MRR:解約された時のインパクトの大きさ/投資できる工数の大きさ
  2. UPSELL:アップセル・クロスセルによってMRR向上に寄与できる可能性の大きさ
  3. 成功確度:オンボーディングによって成功へ導ける実現可能性の高さ

f:id:icareofficial:20191221094639j:plain

オンボーディングの優先順位を決める観点

Carelyのサービスメニュー

クライアントと契約しているサービス内容によっても、オンボーディングの優先順位やアプローチ方法は変わります。

現在Carelyは主に3つのプランを提供しています。

  • Carely Cloud:クラウドシステムの機能のみを提供するプラン
  • Carely Basic:クラウドシステムの機能+ストレスチェックサポート+チャット相談を提供するプラン
  • Carely Plus:クラウドシステムの機能+ストレスチェックサポート+チャット相談+健康診断予約サポートを提供するプラン

 

f:id:icareofficial:20191221102649j:plain

オンボーディングゲームのルール

ルール

  • 3ターンでCarelyのオンボーディングの成果を最大化することを目指すゲームです。
  • 1ターン10分間考えて「どの企業に」「どの機能を」「どんな提案で」使ってもらうかを決めます。(※オンボーディングできるのは、1ターン1機能のみ)
  • Carelyの機能をうまく使ってもらえた場合、ポイントを獲得することができます。
  • 1チームに1名CSのファシリテーターがつきます。ファシリテーターは「結果計算シート」にチームのアウトプットを記入して、得点を計算します。
  • 3ターンのうち、1回だけ「訪問」をすることができます。訪問すると、獲得ポイントが2倍になります。
  • オンボーディングの際に良い提案をすると、獲得ポイントが2倍になります。
  • 既に利用している機能は、オンボーディングしてもポイントになりません。(利用状況データ参照)

f:id:icareofficial:20191221094933j:plain

オンボーディングゲームで1ターンごとにアウトプットすること

ファシリテーターの役割

ファシリテータには、1ターンごとに「結果計算シート(Googleスプレッドシート)」にチームのアウトプットを記入して、得点を計算してもらいました。

下記のようなシートで、黄色の列を編集してもらうと自動で得点が計算されるように関数を組んでおきました。

 

オンボーディングゲームを実施した効果

たった1時間のワークでしたが、思いの外盛り上がるiStudyとなりました。

  • この企業はこんなニーズがあるから、Carelyのこの機能で解決できるのでは?
  • なんでこの企業はCarelyのこの機能を使わなかったんだろう?
  • この企業でオンボーディングに成功したので、別の企業でも同じ方法でアプローチできるのでは?

という議論が自然と活発になっていました。

「CS以外の部署の人に、オンボーディングのリアルを体感してもらう」という目的はある程度果たせたのではと思います。

f:id:icareofficial:20191221095713j:plain

今後も部署を超えてカスタマーサクセス(顧客の成功)に向けて、組織の連携深めていければと思います。

オンボーディングゲームの作り方

最後に、今回作ったオンボーディングゲームの作り方を簡単にまとめておきます。

きっと、どんなSaaSでも似たようなワークを作れるはず。。。

【1】プロダクトの主要機能や利用状況の計測方法を整理する

まずは主要機能や利用状況の計測方法をシンプル化します。


【2】題材にする顧客を決めて利用データを閲覧できる状態にする

次に題材とする実在のクライアントを選定。CS以外のメンバーにもわかりやすいクライアントにしたり、特性が顕著に異なる5社を選びます。

顧客を選んだら、生の利用データを閲覧できるようにまとめます。CS以外の部署にアクセス権限がない情報なども、開示できる範囲内で事前にまとめておきます。今回はGoogle Docsにひたすらスクリーンショットを貼ることで共有しました。


【3】ファシリテーター向けの結果計算用シートを作る

はじめに、各企業の機能ごとに成績表(答え)を作ります。

クライアントごとに、どの機能をオンボーディングしたら成功するかを考えて、点数をつけておきます。

例えば、過重労働に課題のある企業に対して、疲労蓄積度チェックリストの機能をオンボーディングしたら「1」が入るようにして、反対に、単月の法定外労働時間80時間超が1人もいないようなクライアントの場合は活用が難しいため「0」にしていました。

f:id:icareofficial:20191221100207p:plain

各企業の機能ごとの使うか否かの成績表(答え)

A列に企業名、B列〜L列が各機能ごとに「0」か「1」を入れています。

その企業にオンボーディングすることで成果が出る見込みが高いものには「1」を入れておきます。

 

次に、ファシリテーターが操作するシートを作成していきます。

F列は訪問の変数。B列が「訪問」ならば「2」が入るようにif関数を組みました。

f:id:icareofficial:20191221100330p:plain

=if(B2="訪問",2,1)で訪問なら「2」、それ以外は「1」が入るようになっている。

G列は提案内容の変数。良い提案かどうかをファシリテーターの主観で判断し、良ければ「2」を入れてもらうようお願いしました。

f:id:icareofficial:20191221100544p:plain

「データの入力規則」で「1」か「2」を入れてもらうようにしました。

H列はその企業にその機能のオンボーディングが成功するか否かの答えが入る列です。

予め作成しておいた成績表から「0」または「1」の値を引っ張ってくるVLOOKUP関数を組んでいます。

f:id:icareofficial:20191221100659p:plain

=vlookup(C2,'成績表'!A:S,E2,FALSE)で「企業名」を成績表シートから探し出し、該当機能が成功するか否かを引っ張ってくるようにしました。

この時、企業名をキーにして、何列右側を引っ張ってくるかを非常にアナログな関数の組み方で対処してます。

=vlookup(D2,L:M,2,FALSE)で、右側に各機能ごとの列番号を表にしておいてVLOOKUPの参照列を特定していました。(本当はもっと効率的な関数が組めるはずですがw)

f:id:icareofficial:20191221100845p:plain

右側に機能ごとの指定列をまとめておいて、非表示にしていました。

実は「if関数」と「VLOOKUP関数」しか使わずに、非常にアナログな組み方で作っています。

【4】ゲームのルール説明資料を作る

今回は当日午前の2〜3時間しか準備時間を取れなかったため、Google Docsでざっとまとめて、それをモニターに映して説明に利用しました。

f:id:icareofficial:20191221102800j:plain

ゲームを作ってみた感想

オンボーディングをシンプルにモデル化できた!

経営ゲームを作るのは、自分たちの業務をシンプルにモデル化して捉え直す良い訓練になるなと思いました。戦略を決める上でシンプルなモデルがあると注力すべき企業や機能を決める際に思考の補助になります。

ゲームの作成過程で、何がオンボーディングの鍵を握る変数になっているかを改めて見つめ直す機会にもなりました。

もっと複雑にしたかった!

今回はCSだけでなく、セールス・マーケチーム、Devチーム、Corpチームも含めて全体向けに実施したので、非常にシンプルな形でゲームの得点の計算ロジックを作りました。

もう少し複雑な関数を組めば、より現実に近くすることは可能です。例えば、企業ごとに潜在ニーズと顕在ニーズをわけて、潜在ニーズに関しては「訪問変数」や「提案変数」がONにならないと得点が入らないアルゴリズムを作ってみたかったです笑

f:id:icareofficial:20191221101131j:plain

なんかうさんくさいセミナー講師っぽい。

「if関数」と「VLOOKUP関数」さえ使えれば、誰でも作ることができる簡単なゲームなので、オンボーディングに関わる方はぜひ作ってみてください!

楽しかった〜。

 

 

icare.hatenablog.com