iCAREで働くひとが見えるブログ

働くひとと組織の健康を創る

その時、産業保健が動いた

おひさしぶりです。株式会社iCARE カスタマーサクセス チーム 木村です。

 

実はiCAREには、「好きな歴史上の人物を3人答える」と入部できる『歴史部』たる部活動があります。常に日本史勢と世界史勢が抗っており一貫性のない話題で盛り上がっています。(実態は不定期投稿スタイルのslackチャンネル)

 

ということで、歴史好きが高じすぎて(あるいはマニアックすぎて)歴史部のチャンネルでも若干引かれているような気がするような私ですが、実は産業保健って歴史を辿ると人間の活動と深く紐づいていて面白いな〜って思った話をしたいと思います。

 

ちなみに私は、大学時代冷戦や再軍備について研究している教授のゼミに所属しており、そこで過去の流れを汲む目的でヨーロッパ史や政治思想史を幅広く勉強していました。単位そっちのけで好奇心を満たすためだけに研究しているようなゼミで、先生もゼミ生も変わり者でしたが楽しかったです。

 

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最近見た映画「分断の歴史」

 

さて本題です。

  • 産業保健が動いた歴史① 職業と医学の関わりを発見、ラマツィーニ
  • 産業保健が動いた歴史② 「工場法」を制定、ロバート・オーウェン
  • 産業保健が動いた歴史③ 資本主義を加速するプロテスタンティズムの誕生

今回はこの3本立てになります。

 

産業保健が動いた歴史① 

職業と医学の関わりを発見、ラマツィーニ

 

この人は今まで知らなかったんですが、洋太さんに教えてもらって「働く人の病」を読みました。

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働く人の病(ラマツィーニ)

ラマツィーニさんは18世紀のイタリアで医者をやっています。タイミング的には「第二次ウィーン包囲」があったような時代です。

まさに「産業医学の父」と称される人で、「こういう職業の人はこういう病気になりやすく、原因はこんな作業環境にある」的なことを色々な職業でまとめた本を出版しました。

当時は産業革命の半世紀ほど前で、手仕事が職業のほとんどを占めていた時代です。

デスクワークによる腰痛...とかではなく、扱う素材や作業場の衛生環境から健康被害を受ける人が多い時代です。

 

職人たちが、その仕事によって病気になり死んでゆくことを医者の目線でまとめることにより「働くと病気になるが、働かないと生活ができない」といったトレードオフに作業環境と法律の2点から解消する必要性を主張し、医学=病気を調べるだけといった当たり前に一石を投じた形になります。

 

まさに「産業保健の礎」って感じですね!また現代のような「雇う人と雇われる人」のような構造が成立する前の話なので、人間の生活を守るという観点で法整備の必要性を主張したのがすごいなと思います。

 

産業保健が動いた歴史② 

「工場法」を制定、ロバート・オーウェン

 

センター世界史では頻出の「工場法」も現在の産業保健と大きく関わるものです。

ラマツィーニが保健領域だとすれば、オーウェンは人事労務領域に大きく貢献しました。

 

オーウェンは産業革命が起きた真っ最中のイギリスに生まれました。

産業革命はひとつ重要なキーワードです。1.豊富な資源や原料・2.貿易と金融の発達による資本の成長・3.移民など労働力などの条件が、市民革命と技術の革命・発明により色々あって「機械による工業」が成立しました。イギリスはあっとういう間に「世界の工場」と言われた時代です。

 

資本があるひとは資本家として機械を入れ労働者を雇いガンガン稼働させます。義務教育などまだまだ先の話なので、当時の労働力には「女性・子ども」も含まれます。(狭い炭鉱では体の小さな子どもがより使役されたとか)資本家は利益をあげたいので、低賃金で働かせますが、それを取り締まる法律はない時代でした。

 

そこで、「それはおかしくない!?」って一石投じたのが、ロバートオーウェンです。社会主義思想家でもあるので、資本家とも労働者とも違う視点で当時のイギリスをみていたようです。もちろん、労働者が資本家にブチギレるみたいなこともありました。(ラダイト運動)

 

初めは児童の保護を目指した労働時間の制限から始まり、後に全ての労働者に対象を広げ工場医(!)の設置を義務付けるなど、「働くひとと組織の健康」が少し近代化しました。労働組合を作るなど、労働者として資本家との関係を変え始めた人でもあります。

 

*1809年に成立した紡績工場法では、9歳以下の児童の労働の禁止と16歳以下の少年工の労働時間を12時間に制限すると定めました。当時の大人はどんだけ働いてたんですかね。。。

 

産業保健が動いた歴史③ 

資本主義を加速するプロテスタンティズムの誕生

 

3つめは宗教についてです。ちょうど洋太さんがフランスの労働観を呟いた頃、時を同じくして私は「政治思想マトリックス」をコメダで読んでいました。

 

 思わぬ偶然に盛り上がってしまったので3つめにランクインしました。

 

 

宗教革命は時代的にはラマツィーニなんかより全然前なんですが、その中でも「カルヴァン派による宗教革命(1541年〜)」と「ピューリタン革命(1642年〜)」が『資本主義を加速させた』出来事として、ピックアップしたいと思います。

 

宗教革命を簡単に言うと、その運用や聖書の見解の違いから同じキリスト教が方針の違いによりグループが分かれていった事件で特にこの時代においては「職業観」に違いが現れました。

 

カトリック:勤労と蓄財は罪

プロテスタント(カルヴァン):勤勉・倹約・禁欲であり、職業は神が与えたもの(天職)と考える

 

特に、プロテスタントに関しては倹約・禁欲=贅沢をしないために、働くとお金が貯まります。貯まったお金を浪費するのは良くないのですが、投資をするのは是とされたようです。この時点で、資本主義経済と相性が良さそうですね。

 

また、イギリスには「イギリス国教会」というカトリックの影響を受けたプロテスタントが成立していました。(ここも面白い)

「もっと徹底的にプロテスタントじゃないと!」と反抗した人たちが起こした革命こそがピューリタン革命で、彼らは後にアメリカ大陸に渡り建国します。こうして現在このプロテスタンティズムを受け継ぐ国家では財政面や人々の労働面でも大きく影響を受けています。

 

また、カトリックが教皇を中心と考えるのに対しプロテスタントでは聖書を中心とするため、識字率が高く近代化を後押ししたとも言われています。

 

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奥さんの乗り換えに反対されてカトリックを辞めちゃった国王ヘンリー8世

 

いざブログで書くってなると、適当なことを書きづらいのでちゃんと調べたりしているとまた色々わかって面白かったです。

また、実際大学では世界大戦以降が研究の中心だったので、iCAREで働く中で異なる時代や国に関連づけて歴史を学べるのは、入社してよかったな〜と思うポイントです。(多分私だけ)

 

完全に趣味の世界でしたが、歴史の一端を感じることで事業の意義を深く感じられそうだし、何より多様な価値観や働き方を理解する上で起源を辿ることには意味がありそうな感じがします!

 

さてさていかがでしたでしょうか。これを読んで「ぜひ歴史部に私も!」って思った方は、Wantedlyへお越しください。

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難しくて全然進んでいないんですが、2021年の目標は「世界の多様性」を読破することです。家族構造と宗教や革命の起きやすさを考察していて、さらにディープな世界が広がっていそうな予感です。なんか書けそうなほど読めたらぜひご紹介したいと思います。

 

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Amazonのウィッシュリストに入れてたら、知らない人に贈ってもらった本


ではまた!