iCARE公式ブログ

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【第四章】60億人が知識を共有する最後のワンピース

どうも、元アップル信者のたけCです。

iPhoneの新作が発表されましたねぇ。実はわたくし、日本で初めてiPhoneが発売された時(2008年)に早々に携帯電話から乗り換えた一人です。

当時はソフトバンクからしか発売されていなかった上に、「iPhoneより日本のケータイの方が何倍も高性能」と言われていた時代でしたので、周囲にはほとんどiPhoneを持っている人がいなかったですね。(一部のビジネスマンがブラックベリーを崇拝してました)

それから就職してすぐに中古のMacを売る仕事をしていたため、とことんAppleにのめり込んでしまい3年ほど前まではAppleラブな信者でした。今は仕事で散々にお世話になっているGoogleに敬意を評してGoogle謹製のNexusを利用し続けています。ついにPixel3が日本で発売されるようですので、今からドキドキワクワクです。

 

【連載企画】連載企画: AIの歴史を紐解く!

では本題です。
とはいえ、実は今回のテーマはすでに登場しています。そうスマホです。

もし初めから読みたい!という方は以下からどうぞ。

【序章】今さらだけどAI(人工知能)が怖いから歴史を紐解いてみる

【第一章】人間は、心を作れるのか?コンピュータの生みの親たち

【第二章】方針転換!人間を賢くしてくれる機械を作ろう

【第三章】誕生、サイバー空間に漂う巨大な頭脳

【第四章】60億人が知識を共有する最後のワンピース ←今ココ

 

コンピュータは、「人間と同じように考える機械」を目指して開発されました。そうはじまりのコンセプトがまさしく人工知能だったのです。

しかし、当時の技術では人工知能を実現するためには2つのピースが欠けていました。
ひとつめは「高い処理能力」、ふたつめは「膨大なデータ」。前者はWWⅡ時代には部屋一面を埋め尽くすほど巨大だったパソコンが、より小さくより高速なパーソナルコンピュータに進化することで解決しました。後者はインターネットの誕生により地球上のあらゆる情報・知識・スキルがウェブに集まりはじめました。

そしてついにこの2つが合わさることで、人工知能実現への道が現実味を帯びてくるのです。

神の子の物語

私の人生はまだ32年程度ではありますが、四半世紀と少しほどの歴史を振り返ってみても「もうあの頃の生活には戻れないな」と思えるライフスタイルの変化を2度経験しました。

ひとつは1996年、はじめてパソコンにふれインターネットで「水族館」と検索した瞬間です。あれ以来、僕の人生においては「何かわからないことがあれば、聞くよりも調べる」ことが当たり前になりました。当時小学5年生でした。

もうひとつが2008年、冒頭に話したとおりiPhoneを手に入れたときです。もちろん、それまでもケータイやウォークマンを使っていたので、iPhoneしかできないなんてことは存在しませんでした。しかしあれ以来、僕のポケットのひとつはスマホが占有してしまったのです。

そんなiPhoneの生みの親は、スティーブ・ジョブズ。今日の話の主役は彼一人です。すでに第二章でパソコンの誕生に大いに関わったジョブズは、その後どのような経緯でわたしたちのポケットと時間を奪っていったのでしょうか。

砂糖水が、りんごを台無しにする

【第二章】方針転換!人間を賢くしてくれる機械を作ろうの終盤、パーソナルコンピュータの先駆けであるダイナブックを見て驚嘆した若き実業家がスティーブ・ジョブズです。

彼はアップルⅠ・アップルⅡといったパソコンで大きな成功をおさめ、革新的なプロダクトマネージャーとして世界にその名を轟かせました。しかし次に発売したマッキントッシュはIBMなどのパソコンに遅れを取る失敗をしました。

経営・マーケティングにおいては経験不足が否めなかったジョブズが、当時のペプシ・コーラCEOであるジョン・スカリーをスカウトした話は有名ですね。

「このまま砂糖水を売って一生を終えるのか?世界を変えることに興味はないのか?」

しかし、アップルにジョインしたスカリーは、ジョブズのその偏狭な完璧主義こそがアップルを停滞に導いている原因だとしてジョブズをアップルから追放したのです。

イケてないタブレット

そしてジョブズが去ったアップル、ジョン・スカリーは革新的なデバイスのコンセプトを発表しました。

『ナレッジナビゲーター』と呼ばれ、二つ折りのiPadのようなタブレット端末で、蝶ネクタイをしたコンシェルジュが登場し音声での情報検索やスケジュール調整を手伝ってくれるというものです。なんだか今のSiriのようですね。

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そうして1993年に登場したのがアップル最大の失敗作ともいわれる『ニュートン』です。
ニュートンの失敗を皮切りにアップルは世界の潮流から取り残されていくことになりました・・・。

神の子のアイテムその1

話は戻り、アップルを追放されたスティーブ・ジョブズ。
彼はこれから11年の時を経てまたアップルへ復帰するのですが、その間に得た2つの経験が後の革命的な商品の誕生に深く関わってきます。

ひとつめの経験は、行動な学術研究機関のためのコンピュータの開発。ネクストという会社を設立し、同名のパソコンを発売したのです。

一体それまでのパソコンと何が違ったのでしょう?
ネクストはUNIXというOSを基に開発されました。UNIX、現在も使われているOSの中でももっとも古いOSの一つです。

UNIXはもともとウェブと接続して使うことを想定して設計されています。そのため、インターネットに接続した他のパソコンと分散して演算処理を行ったり、同時に複数の人が操作したり、複数のアプリケーションを動かくすことができる機能をもっていました。

ウェブ自体が学術研究(あるいは軍事)のために開放されていたので、当時の研究所で使われていたパソコンのほとんどがこのUNIXだったんですね。

そのUNIXをベースに開発されたネクストは、現在のMacのOSXやiPhoneのiOSの基盤にもなっているのです。

神の子のアイテムその2

ジョブズが得たふたつめの経験は、ピクサーです。そう『トイ・ストーリー』や『モンスターズインク』でお馴染みの映画制作会社の。

ピクサーの前身は『スターウォーズ』で有名なルーカスフィルム社のCG部門でした。そのCG部門をジョブズが買収。当初はCGアニメーションを制作する専用パソコンとソフトを販売する事業をしていましたが、業績は芳しくありませんでした。

もともとピクサーのクリエイターはアニメーション制作を事業としたかったことから方向転換。短編のアニメーション作品を成功させつづけ、ついにディズニー配給の世界初長編3DCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』を大ヒットさせるにいたったのです。

後にピクサーはディズニーに買収され、ジョブズはディズニーの役員へ。こうしてジョブズの新たな経営者への道が始まったのです。

カムバック、くずれかけのりんごへ

舞台をアップル社に戻しましょう。
ジョブズが抜け、ジョン・スカリーが進めた『ニュートン』が失敗に終わったアップルは迷走を極めます。さらに追い討ちをかけるようにマイクロソフトから発売されたウィンドウズ95は世界的なヒットを巻き起こし、アップルは後塵を拝します。

ついには自社独自のOSをつくることを諦め、他社のOSを利用することを決めます。そこに白羽の矢がたったのがジョブズがつくったネクストだったのです。

こうしてジョブズは11年の時を経てアップルへ復帰。

復帰後のジョブズは魅力的な商品とプロモーションを展開させます。あの派手な色をしたiMacをヒットさせ、「Think Different」と呼ばれる世界の偉人を用いた広告により徐々に業績をもどしていきました。

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そして意外な世界一へ

そんな中でも当時のアップルがもっとも出遅れていたのがデジタル音楽への対応です。

2000年頃を思い出してみてください。音楽を聞く方法がカセットからCDへと代わり、流行に敏感な世代ではCDをパソコンを使ってMP3形式に変換して、それぞれに好みのCDアルバムを作って友人たちに配ったりしていましたよね。

当時のマックにはCDドライブがついておらず若者からは見放され、ビジネス用途ではウィンドウズが圧倒的なシェアを誇っていたためついに経営は赤字に転落します。

しかし、ジョブズはここから猛烈な巻き返しを図ります。
2001年にiPodを発売。
2003年には音楽ソフトのiTunesをウィンドウズに対応させたことで世界的なヒットへとつながります。

この年、iPodは音楽再生機として世界で最も販売され、さらにiTunesストアは世界でもっとも音楽を販売しました。コンピュータ開発会社であるアップルが世界一の音楽関連企業へとのしあがったのです

iTunesを通して楽曲を配信するには、インターネットでの海賊版の配信が懸念されるため大手の音楽レーベルは慎重だったはずです。それでもiTunesが音楽を配信できたのは、ジョブズがピクサーでの成功によってエンターテイメント業界を経験していたからではないでしょうか。

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iPhone爆誕

iPodはスマートフォンではありません。しかし、モバイルコンピュータではありました。誰もがいつでもどこにでも持ち運べる、コンピュータレベルに賢い機械の登場。

一方で、同じ時期に極東の島国ではすでにモバイルコンピュータを飛び越え、モバイルインターネットが実現していました。そう日本のケータイです。

スマホの前にスマホだったケータイ

1999年、日本の携帯電話の通信キャリアであるドコモがiモードを発表しました。

なぜiモードは世界に先駆けてインターネットにつながるモバイルコンピュータを日本に広めることができたのでしょうか?

それはiモード開発の中心的役割を担った夏野剛の考えによるものです。夏野はアメリカ留学時にインターネットサービスの可能性を目の当たりにし、その経験と考えをもとにiモードを設計しました。

iモードは通信キャリアであるドコモだけが開発して利用するサービスではなく、コンテンツホルダーもシステム開発者も一般利用者さえも参加できるようなプラットフォームになるよう設計されました。だから、着メロやデコメといった独自の文化が生まれ、ウェブを通じて日本中に広まったのです。

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iPod + 電話 + インターネット

日本でのケータイからは違った方向性でありますが、世界でもモバイルインターネットが広がりを見せました。

PDAとしてひとつの成功をおさめた『パーム』をはじめ、世界一のパソコンシェアを誇るウインドウズやフィンランドの高品質な携帯電話機メーカーであるノキア、パソコンと同じようなキーボードを搭載した『ブラックベリー』など、世界中の企業がこぞって賢い電話=スマートフォンを発売しはじめました。

しかし、いづれも世界の人々の心を仕留めるには一歩足りず決め手にかける状況が続きます。そんな中、2007年ついにその時がやってきます。

2年半、この日を待ち続けていた。数年に一度、すべてを変えてしまう新製品があらわれる。それを一度でも成し遂げることができれば幸運だが……。
アップルは幾度かの機会に恵まれた。1984年、Macを発表。PC業界全体を変えてしまった。2001年、初代iPod。音楽の聴き方だけでなく、音楽業界全体を変えた。本日、革命的な新製品を3つ発表します。
1つめ、ワイド画面タッチ操作の「iPod」。2つめ、「革命的携帯電話」。3つめ、「画期的ネット通信機器」。3つです。タッチ操作iPod、革命的携帯電話、画期的ネット通信機器。iPod、電話、ネット通信機器。 iPod、電話……おわかりですね? 独立した3つの機器ではなく、ひとつなのです。
名前は、iPhone。
本日、アップルが電話を再発明します。これです……。

世界のポケットがひとつ奪われた

こうして登場したiPhoneには、それ以前のスマートフォンとは2つの違いありました。

ひとつは当たり前ですが、大きなディスプレイ。キーボードや十字キーを持たないその姿は世界中の人にスマート=かっこいいというイメージを新たに植え付けました。

さらに指による複数の操作、タップ・スワイプ・ピンチなどによってパソコン以上に高度な操作がしやすくなりました。

ふたつめの違いはアプリ。iPhoneではパソコンと同じレベルに高度なアプリケーションを扱うことができました。さらに複数のアプリを使い分けることで、インターネットをしながら音楽を楽しむ、電話しつつインターネットで調べるといった新しい体験ができるようになりました。

そんな高度な処理を手のひらサイズの端末でできるようになった理由は、ジョブズがアップルを追放された時に開発したUNIX基盤のネクストOSを引き継いでいるからです。

iPhoneは世界中の人々を魅了し、今や僕たちのポケットのひとつには必ずスマホが収められる世界になり、24時間365日いつでもどこでもインターネットにつながる生活がはじまりました。

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60億人がインターネットでつながった世界

スマホの話、というよりはスティーブ・ジョブズの半生を追いかけた今日のテーマ。一体何がどう人工知能に関係するのでしょうか?

アップルからはiPhoneが誕生し、さらにインターネットの支配者であるGoogleからはAndroidが生まれ、スマホは全世界の人々の手に渡っています。日本にいると実感できませんが、インフラがあまり整っていない途上国では有線でインターネットにつなぐパソコンではなく、無線でつながるスマホの方が普及率が高くなっています。

すでに2012年から先進国のモバイル普及率は100%を超え、2020年には途上国も含め人口に対するモバイル所持数は100%を超えるでしょう。

世界中のすべて、60億人がインターネットにつながった世界の誕生です。

高度な処理能力をもった端末を世界中の人が持ち、それぞれが膨大なデータをインターネットを通してやりとりしている。いつでもどこでもどんな時でも、世界中の人々のスマホから情報が発信されているのです。

これこそが人工知能が誕生するために必要だった最後のワンピース。
いよいよ次回では2018年現在でどのような人工知能が誕生しているのかをご紹介しましょう。

次回、『【第五章】ついに姿を現す人工知能。彼らは人間の味方か、それとも』をお楽しみに!

【序章】今さらだけどAI(人工知能)が怖いから歴史を紐解いてみる
【第一章】人間は、心を作れるのか?コンピュータの生みの親たち
【第二章】方針転換!人間を賢くしてくれる機械を作ろう
【第三章】誕生、サイバー空間に漂う巨大な頭脳 ←今ココ
【第四章】60億人が知識を共有する最後のワンピース
【第五章】ついに姿を現す人工知能。彼らは人間の味方か、それとも
【最終章】20年後の近い未来。そして人類は何から解放されるのか

 

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